ここでは、タイヤの空気圧を適正値に保つことの重要性についてお伝えしていきたいと思います。
タイヤの空気が抜けていると、車には悪影響を及ぼしていきます。
適正圧が入っていないと、どのような悪影響を及ぼすのか、以下にまとめましたのでご覧ください。
●タイヤに空気が入っていない場合
燃費が悪くなる
偏摩耗の原因となり、タイヤの寿命が短くなる
タイヤ本来のグリップ力を発揮することができない
縁石などに乗り上げたときにタイヤ内部のコードが切れる可能性がある
走行中のパンク、バーストの原因に繋がる
急ブレーキ時の停止距離が長くなる
雨の日やカーブを曲がったときにスリップしやすくなる
●タイヤの空気を入れすぎている場合
タイヤのセンター面だけが減って片減りを起こす
タイヤのトレッド面が傷つきやすくなる
乗り心地が悪化する
※偏摩耗とは、タイヤの山が均一に磨耗せず、一定の箇所だけが極端に減っていくことを言います。
このようにタイヤの空気というのは減っていてもダメですし、入れすぎもよくありません。常に適正値を保つことが重要なのです。
タイヤの空気というのは、必ず自然に抜けていきます。空気を入れて扱うものであれば何でもそうですが、空気を入れなければ月日を追うごとに自然と抜けていきます。
特に車は停めている状態でも、1トン以上の車重を常にタイヤは受け止めているわけですから、何もしなければ抜けていくのは当然のことです。
特に冬場の寒い時期は気温が下がることによって、自然に空気が抜ける量が増えますから、小まめなチェックが必要です。ですので、タイヤの空気圧は最低でも月に1回チェックすることが必要です。
しかし、「日本自動車タイヤ協会」によるデータによると、月に一度空気圧をしっかりと点検しているドライバーは全体の4割程度でしかなく、6割以上のドライバーは、空気圧点検をしていません。
理由は「面倒だから」「よく分からない」などの意見が多いようですが、中には空気の入れ方が分からないというドライバーも多いようです。
しかし、タイヤの空気圧が抜けていると、様々なリスクがあることをお話しましたが、その中でも燃費がどんどん悪くなっていくのは、どのドライバーでも一番避けたいことではないでしょうか。
私はこのお話をする時に、自転車に例えていつもお話しているのですが、自転車に空気が入っていない状態だと、かなりの力を入れて漕がないと、前に進んでいかないと思います。
これは車にも全く同じことが言えて、タイヤの空気が抜けていると、その分エンジンにかかる負荷が大きくなります。そうなると、いつもと同じアクセル量を踏み込んでも同じ加速にならず、アクセルを多く踏まなくてはならなくなります。
しかし、ほとんどのドライバーはこのことに気づいておらず、いつも通りに加速をしてしまい、燃費を悪くしています。
せっかく節約を考えて燃費の良い車に乗っていたとしても、タイヤの空気の点検を怠ったために、ガソリン代が余計に多くかかってしまっている、ということになるのです。
下の表を見てください。一般的に使用している乗用車の場合、1ヶ月で5%~10%の空気圧が低下すると言われています。
また、国民生活センターのデーターによると、指定空気圧よりも30%低下した状態で走行をしていると、8.5%も燃費が悪化するという結果になっています。
また、省エネルギーセンターでは、タイヤの空気圧を適正値より50kpa(0.5kg/cm2)下げて、様々な走行環境を想定した実験を行った結果をグラフで公表しています。
つまり、1Lあたり20km走る車が、指定空気圧を30%低下した状態で走行した場合、「18.3km」しか走れないことになります。
これを満タン50Lとして考えた場合、指定空気圧で走行した場合は「1000km」走れる計算になりますが、空気圧が不足していると「915km」しか走れなくなります。
その差なんと「85km」、これだけ損している計算になります。つまり満タンにするたびに約4L分損している計算になるのです。
これが10000km走ったらどうなるか、その10倍の開きになっていきます。つまりいくら燃費の良い車に乗っていたとしても、タイヤの空気圧が抜けているだけで、これだけ損をしているということになってしまうのです。
また、空気圧が抜けていると燃費に影響を与えるだけでなく、他にも色々と障害が出ることはお伝えしました。偏摩耗の原因となり、それが原因で走行中のパンクやバーストを引き起こし、雨の日はスリップしやすくなるなどのリスクが高まっていきます。
空気の抜けている状態が続くと、このリスクはどんどん高まっていきますから、高速道路などでバーストやスリップ事故を起こさないためにも、小まめな空気圧チェックが必要になります。
ですから、月に1度は必ずタイヤの空気圧点検をして、適正空気圧を保つように心掛けてください。タイヤの空気圧を測るときは、エアーゲージを使って必ず測るようにしてください。
国産車の場合、「タイヤ空気圧」と書かれたステッカーが、運転席側のドアの開口部に貼ってあります。ほとんどの国産車は、この適正値が書かれているステッカーが運転席のドアを開けたところに貼ってありますので、適正値をしっかりと確認してから空気圧を測るようにしてください。
また輸入車だと、運転席側のドアの開口部ではなく、給油口の蓋に貼ってある車種があります。運転席側のドアの開口部に見当たらない場合は、給油口の蓋を確認してみてください。
また輸入車は前後のタイヤで指定空気圧が違うことが多いので、輸入車に乗っている方はよく確認してから、空気圧を調整するようにしてください。
また空気を入れるときのコツですが、必ずタイヤが冷えている状態で点検するようにしてください。タイヤが発熱している状態で測っても、正確に空気圧を測ることができません。
また、空気圧を高くしすぎると、タイヤのグリップ力を低下させたり、編摩耗を引き起こす原因になりますので、高速道路を乗る予定があって、タイヤの空気を高めに入れる場合は、指定空気圧よりも+10%以内で調整するようにしてください。
例えば、指定空気圧が2.0kgだった場合、2.2kg以上は入れないように気をつけてください。指定空気圧の+10%以内、これ以上入れることはお勧めしません。
また、タイヤの適正値というのは、タイヤで決められるのではなく、車に装着されるタイヤを基準として、車種ごとで決められていますので、このことも覚えておいてもらえるといいと思います。
女性の方や車にあまり詳しくない方は、タイヤの空気圧チェックは難しいと思われているようですが、ガソリンスタンドやディーラー、カー用品店などでは、どこでも無料で見てくれますので、そのようなところをどんどん利用してください。
セルフのガソリンスタンドであっても、空気圧の点検は無料でやってくれますから、店員さんに声を掛けて月に1度は必ずタイヤの空気圧を定期的にチェックするようにしてください。いつも適正な空気圧を保ち、楽しいカーライフを楽しんで行きましょう。
タイヤの空気圧を適正値に保つことの重要性
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