高速道路や一般道路で渋滞が発生しているとき、どの車線を走るのが一番早いのか、もしこのレーンを走れば一番早いですよと、教えてもらえれば迷わずそのレーンを走りますよね。
ですが、実際にどのレーンを走れば渋滞をいち早く抜けることができるのかご存じのない方が多いかと思いますし、実際に実験された方は少ないと思います。
そこでこちらのページでは、渋滞時にいち早く抜ける方法をお伝えできればと思います。
私は長年車のレースをやっておりました。車のレースはとてもお金がかかるので、レース資金を稼ぐために、昼間は中古車販売の営業マンをしながら、休日は運送会社で大型トラックに乗りアルバイトしていた時期があります。
私がアルバイトをしていた運送会社では、主に中距離で荷物を運ぶ仕事だったので、高速道路、一般道路、多くの道をたくさん走りました。
多いときは1日で400キロ近く走ることもあり、少しでも早く荷物を届けるためや、早く仕事を終わらせるために、いかに渋滞を避け目的地に早く着けるルートを日々研究していました。
その経験から、渋滞時はどこの車線が一番流れが悪く、どこの車線が一番流れるのか、また少しでも早く渋滞を抜ける方法などを見つけましたので、その知識をあなたにお伝えできればと思います。
ですので、これからお伝えすることを渋滞回避するための運転技術として身につけてもらえれば嬉しく思います。
●高速道路ではどの車線を走れば一番早いのか?
まず結論から申し上げますと、高速道路で渋滞が発生しているときは、「一番左の車線」を走るのがもっとも早く渋滞を抜ける方法になります。
渋滞が発生すると誰もが「早く先に行きたい」と考えます。また、多くの人が追越車線の方が早く進むだろうと思い込み、多くの車が追い越し車線に割り込んできます。
そうすると、必然的に追い越し車線に流れてくる車が多くなり、他の車線よりも交通量が増え、一番流れが悪くなっていきます。高速道路で「追越し車線から渋滞が始まる」と言われるのはこのためです。
またこのような統計も出ています。ある高速道路で渋滞時に各レーンにおける車台数の比率を出したところ、「左車線25%」、「中央車線35%」、「右車線40%」と分布されたそうです。この統計結果からも渋滞は追越車線から始まるということが分かります。
また、私がアルバイトをしていた運送会社の研修で聞いたお話では、関越自動車道の花園IC~練馬ICまでの約56キロの渋滞区間(お盆時期)を、どのレーンが一番早いかテストをしたことがあるそうです。
同時刻に花園ICから2台のトラックが入り、1台のトラックは追い越し車線をずっと走行、もう1台のトラックは一番左の車線を走行、どちらのトラックも一度も車線変更はせず目的地に向かいます。
その結果、左車線を走っていたトラックは練馬ICまで80分。それに対し、追い越し車線を走っていたトラックは115分かかったそうです。その差はなんと35分。この話を聞いたとき、私はかなりびっくりしました。
私も以前は追い越し車線が一番早いだろうと思い込んでいたため、渋滞が発生するといつも右車線に車線変更をしていたからです。
またトラックには、タコグラフという運行時間中の走行速度などを詳細に記録することができる装置がついていますが、そのデーターを元に更に2台の平均速度を出したところ、左車線を走行していたトラックが時速35kmに対し、追越車線を走行していたトラックは時速25kmというデータが出たそうです。
この結果からも、高速道路では左車線の方が車の流れがスムーズで早いということが分かります。追い越し車線の方が早く進みそうに感じますが、実はそれは錯覚でしかなかったのです。
ですので、渋滞情報が手前で表示され渋滞を目視したら、左車線に移っておくことがもっとも渋滞を早く抜ける方法になるのです。
●基本は左車線を走るのが一番早いが例外もある
高速道路の渋滞では、基本的に左車線を走っているのが一番早く渋滞を抜ける方法ですが、例外もあります。
それは首都高速道路など、右側に出口や分岐が多くあるような高速道路です。このような高速道路では追い越し車線の方が早い場合があります。
また高速道路の下り線を走っているのか、上り線を走っているのかでも変わってきます。下り線の渋滞では、高速を下りる車より、乗ってくる車の方が多いため、左側の走行車線は合流の都度、多くの車が入ってくることになります。
そのため、下り線の渋滞では「左車線が一番早い」ということが通用しないことがあり、状況によっては追い越し車線や中央車線の方が早いということもあります。
ですが、逆に上り線を走っているときは、左車線が確実に早いということが実感できると思います。上り線の渋滞では乗ってくる車より、インターを下りていく車の数が多いため、左車線を走っている方が確実に早くなります。
これは人口の多い地域になればなるほど、顕著に出てきます。ですので、基本は左車線を走行しているのが一番早く渋滞を抜ける方法ではありますが、道路状況によっては、左車線よりも他の車線の方が早いということがあるということも知っておいてもらえればと思います。
●渋滞を少しでも早く回避するためのテクニック
高速道路の渋滞から出来るだけ早く抜けるためには、左車線を走行することがベストだとお伝えしました。また、その他にも渋滞を早く抜けるためのテクニックがいくつかありますので、お伝え出来ればと思います。
●登坂車線が一番早いことがある
高速道路には登坂車線というものがあります。これは荷物を積んでスピードのあまり出ないトラックなどが他の車の迷惑にならないように作られた専用車線です。
この登坂車線は普通の走行車線の更に左側に作られているため、渋滞時に利用すると一番早かったりします。通常の走行車線より更に左車線にあるため、最終的には一番左の走行車線に合流する形になります。
ですので、渋滞に巻き込まれたときに登坂車線があれば、登坂車線が一番早く進むことが多いので、トラックに紛れてこっそり利用してしまいましょう。
●大型トラックの後ろを走る
大型トラックは、遠くまで道路の状況を見渡せるため、どこの車線が一番流れているかどの車よりも一早く分かります。
私も大型トラックに乗っていた経験があるので分かるのですが、運転席がとても高いため、数百メートル先まで見渡すことができるので、渋滞の様子を詳細に把握できるだけでなく、より効率よく車線変更をすることができます。
普通乗用車に比べると格段に交通の流れを読むことができるので、大型トラックは渋滞時にとても有利になります。
また、普通乗用車を運転している場合、大型トラックの後ろだと先が見えないため、ドライバーの心理として「トラックの後ろは嫌だ」と思い、車線変更をする車が多くいます。
それを逆手にとって利用し、わざと大型トラックの後ろを走れば、その車線に空間が出来やすくなり、その車線が一番早く進みやすくなります。
また、トラックドライバーの運転手は、一般ドライバーに比べて運転がとても上手いため、後ろを走っているととても楽なのが分かります。
一般ドライバーの傾向として、車の運転が慣れていない方は車間距離の保ち方が上手くないため、頻繁にアクセルを踏んだり、ブレーキを踏んだりして、一定の間隔を保つことが維持できず、流れのリズムを乱す車が多いです。
しかし、トラックドライバーの運転手は毎日運転しているため、交通の流れのリズムを保つのが非常に上手く、後ろについていると運転がとても楽です。
どのように楽かというと、アクセルとブレーキが常に一定に保たれるため、こちらも無駄な操作をしなくて済むので、渋滞中でも楽に運転することができます。私は渋滞になると左車線に入り、大型トラックの後ろにわざとつけることが多いです。
大型トラックの運転手は渋滞時に左車線を走れば一番早いというのが分かっていますし、状況に応じて一番早く進んでいる車線に変更していくため、とても運転がしやすいです。
また、大型トラックは車体がとても長いので、料金所で一度に乗用車2台分の列が進むなどのメリットがあるので、高速道路の渋滞時は大型トラックの後ろをわざと走るのも渋滞を早く抜ける方法としてとてもお勧めです。
●合流は最後の最後まで待ってから行う
よく合流ポイントでまだ車線に余裕があるにも関わらず、かなり手前で車線変更する車がいます。これは非常にもったいなく、合流ポイントでは出来るだけギリギリで車線変更することがお勧めです。
合流ポイントでは、走行車線よりも合流する車線の方が流れが早くなりますので、あまり手前で入り過ぎてしまうと、後続車が更に前で合流してきたとき、あなたの車はその車の後ろに並ぶことになってしまいます。
ですので、合流するときは危なくない範囲で、ギリギリまで我慢してから車線変更することがお勧めです。
●ETC搭載車でも空いていたら一般料金所を利用する
結構知らない方が多いようですが、ETC搭載車でも、ETCカードを抜いて料金所の人に差し出せば、ETCカードで支払い処理をすることができます。
カードを抜いて料金清算をすると、一般料金扱いになってしまうのではないかと心配する方がいますが、カードを抜いて料金清算をしてもETC割引は適用されますので心配しなくて大丈夫です。
一般料金所は一番左のレーンにあることが多く、大きく左に迂回して入らなければならないので、少なからず遠回りのように感じますが、前方に車がいなくスムーズに通れそうであれば、結果的には速く通過することができます。
ですので、ETCレーンが混雑していて、一般料金所がガラガラだった場合、迷わず一般料金所を利用してしまいましょう。私は料金所のETCレーンがあまりにも混雑している場合はこの方法をよく使います。
また先程もお話しましたが、大型トラックや観光バスの並んでいるレーンは一見列が長いので時間がかかるように思いますが、台数としては少ないので早く通過することができます。
ですので、大型トラックや観光バスが多く並んでいるレーンを見つけたら、迷わずそのレーンに並んでしまいましょう。
ちょっとしたことではありますが、長い渋滞の高速道路を走るとなると、この差が最終的には数十分の差に繋がっていきますので、決して侮れません。
ただ気を付けて欲しいのは、一般料金所とETCレーンが一緒になっているところです。そこを通過するときは前方の車がETC搭載車でなかった場合、かえって時間ロスをすることがありますので、前方の車をよく見極めてから進入することが大事です。
私は何度か失敗していますが、ETCを搭載していない車の後ろについてしまい、結果時間ロスをしたことが何度かあります。
●渋滞予測情報をしっかりチェックしておく
日本道路交通情報センターのホームページでは、各高速道路の渋滞予測をし、その情報を掲載してくれています。
「いつ、どこで、どの位の渋滞が発生するか」、細かく予測してくれていますから、どこか出掛けるときなどは、毎回情報をチェックすれば、渋滞を避けやすくなると思います。
遠出するときは必ず、この日本道路交通情報センターのホームページを事前にチェックしておくことをお勧めします。
日本道路交通情報センター 渋滞予測情報ページはこちらから
●一般道路の渋滞時の車線
一般道路の渋滞の主な原因は「交差点及び信号」、「交通事故や工事による車線規制」、「路上駐車」が主なものになります。
では、一般道路の渋滞時はどこの車線を走れば一番早いのか、これはとても難しいところであります。
何故ならば、一般道路は高速道路とは違い、信号や交差点、停車している車など、そのとき、そのときで道路の状況が大きく変わるからです。
私はトラックドライバーの経験もあるのでよく分かるのですが、例えば東京の環状7号線の上り大原交差点付近、この場所をよく通る方はお分かりだと思いますが、ほぼ毎日と言っていいほど渋滞しています。
この場所は大原という交差点を基点に、国道20号線と環状7号線が交差するところで、右折する車が非常に多いため、いつも右に曲がる車が走行車線をふさぐため、右車線が一番流れが悪くなります。
ですので、私は現役当時だいぶ手前から一番左車線に入り、大原交差点の手前で車線変更をして、渋滞を切り抜けていました。
ですが、ここの道路は大原交差点の少し手前にドンキホーテがあり、たまに一番左レーンに駐車場待ちの車などが停車していると、真ん中のレーンが一番流れが早かったりします。
ですので、一般道路に関しては渋滞時、どこの車線が一番早いのかは、そのときの道路状況によって異なるため、判断するのはなかなか難しいと言えます。
ただ、その時の車の流れを見ていれば、どこの車線が一番流れているかは分かると思いますので、その都度、車の流れを把握しながら車線を変更して進むしかないと思います。
ここまで、高速道路や一般道路で渋滞が発生しているとき、どこの車線を走るのが一番早いのかについてお伝えしてきましたが、あなたはどのような感想をお持ちになったでしょうか。
この記事があなたのお役に立てたのであれば、とても嬉しく思います。またこの記事を読んで頂いたことによって、今後のあなたの渋滞時におけるイライラが少しでも解消してくれたら更に嬉しく思います。
高速道路や一般道路の渋滞時、どの車線を走ると一番早い?
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