あなたは渋滞は好きですか?嫌いですか?ほとんどの方が嫌いと答えるでしょう。
私も渋滞は大嫌いです(笑)というか、渋滞が大好きなんて言っている人は今まで一度もあったことがありません(笑)
こちらのページでは、あなたも大嫌いであろう渋滞のメカ二ズムについて詳しく解説していきたいと思います。
主に渋滞には2種類あり、高速道路で発生する渋滞と一般道路で発生する渋滞です。まずは高速道路で発生する渋滞のメカ二ズムからご説明していきたいと思います。
高速道路の渋滞の原因1:サグ部やトンネル
サグ部とは、下り勾配から上り勾配に変わるV型の形状をした区間を言います。以下の画像をご覧ください。
このような場所をサグ部と言います。高速道路の発生する渋滞のうち約70%がこのサグ部で占めていると言われています。
よく、ゴールデンウィークやお盆など、車の交通量が多いとき渋滞しているところが毎回同じ場所だと言うことはお気付きの方も多いと思います。ニュースなどでも高速道路の渋滞情報が流れるとき、いつも同じ場所で渋滞が起きていますよね。
東名高速道路であれば「大和バス停付近や綾瀬バス停付近」、中央自動車道であれば「小仏トンネル付近」、関越自動車であれば「花園インターチェンジ付近」など、よく耳にしたことがあるかと思います。
この毎回渋滞が発生している場所がこのサグ部になります。では何故、サグ部では渋滞が発生しやすいのでしょうか。
このサグ部では、下り勾配から上り勾配に徐々に変化していくため、必然的に車は速度を低下していきます。
しかし、先頭のドライバーがこのことに気付かないでいると、後続の車との車間距離が縮まり、後続の車は車間距離を一定に保とうとブレーキを踏んでしまいます。
その結果、連鎖的に次々とブレーキを踏む車が出てきて、渋滞が発生してしまうのです。
また、同じような現象がトンネル内でも起きています。トンネルに入るとき周りは暗くなり、出口では明るくなります。
この光陵の変化で「視界が悪い」「圧迫を感じる」とドライバーが心理的に抱いてしまうと、アクセルを緩めてしまい、速度を低下させてしまいます。
このことによって、後続の車が次々とブレーキを踏み、渋滞が発生してしまうのです。こうならないためには、ドライバー1人1人がサグ部やトンネル部分では一定のスピードで通過するように心掛けることが大切です。
高速道路の渋滞原因2:インターチェンジやジャンクションの合流ポイント
インターチェンジやジャンクションの合流ポイントでは、渋滞が発生しやすくなります。特にゴールデンウィークやお盆など、車の交通量が極端に多くなる時期は、多くの渋滞が発生しています。
また、合流部分で渋滞が発生するもう一つの要因として、追い越し車線へ車線変更する車が出てくることも原因の一つです。
よく、渋滞中に合流ポイントに差し掛かると、右車線に変更してくる車がいるのを多く見たことがあるかと思います。
これは心理的に「自分の前に入れたくない」、「この先は合流だから流れが悪くなる」、このような理由で車線変更をするドライバーが多いと思います。
ですが、車が車線変更をしてくれば、後続の車はブレーキを踏んで道を開けなくてはならなくなりますから、結果的に本線全体の流れが悪くなり、渋滞が発生していくのです。
高速道路の渋滞原因3:交通事故や工事による車線規制
これは説明するまでもないかもしれませんが、交通事故が起きたり、工事で車線規制が行われれば、当然のことながら渋滞が発生していきます。
また交通事故の場合、見物渋滞も重なるため、なかなか車が前に進んでくれません。また、大きな事故であればあるほど、車線規制が大きくかかりますし、逆車線にも見物渋滞が発生することがあります。
そして、事故の様子を見るために脇見運転をしてしまい、接触事故を起こしてしまうドライバーが少なからずいます。
業界用語で多重事故などと言いますが、こうなると本当に最悪です。更に渋滞が激しくなり、なかなか抜けることのできない渋滞に発展していきます。
ですので、交通事故で車線規制が行われているときは、事故現場に気を取られることなく、少しでも早くその場を抜けることだけを考えて、運転に集中することが大事になってきます。
高速道路の渋滞原因4:料金所
現在ではETCの導入によって、料金所での渋滞は格段に減少していると言われていますが、一昔前までは、高速道路の最大の渋滞箇所は「料金所」と言われていました。
今ではETCの導入によってスムーズに料金所を通過することができますが、一昔前までは全て人の手によって料金を徴収していたわけですから、料金所が渋滞の発生場所になるのは当然のことです。
ある料金所では、通過する車は倍に増えているにも関わらず、渋滞は以前の半分になっているところもあるそうなので、ETCの導入の効果がどれだけのものか分かるかと思います。
この4つが主に高速道路の渋滞の原因と言われています。事故や工事が行われていないのに何故渋滞が発生しているのか?
自然渋滞の答えが「サグ部やトンネル」、「インターチェンジやジャンクションの合流ポイント」にあったわけです。
ですので、このような箇所を通過するときは運転に集中していただき、「出来るだけ一定のスピードで通過する」、「車線変更は無理にしない」、このことを心掛けてみてください。1人1人が少しの心掛けを持つことで、渋滞は確実に減っていくと思います。
それでは次に一般道路で起きる渋滞の原因を解説していきたいと思います。
一般道路の渋滞原因1:交差点及び信号
一般道の渋滞の多くの原因は交差点や信号になります。
その理由は、交差点を通過しようとする車の台数に見合うだけの青信号の時間が確保されていないことと、右折レーンや左折レーンがまだまだ不足しているところにあります。
もし、車の通行量が多い道路と少ない道路の交差点であれば、車の通行量が多い側の青信号の時間を長く設定し、車の通行量が少ない側の青信号の時間を短くすれば渋滞は解消されます。
しかし、通行量の多い大きな幹線道路、東京都内であれば、環状7号線や環状8号線、そのほか都心を走る主要道路(国道16号線など)では、両方向とも交通量が非常に多く、長い青時間がどちらも必要になるので、調整がとても難しいとも言われています。
また、その日その日によっても車の通行量が変わるため、なかなかピッタリに調整することは非常に難しく、どちらかの道路で渋滞が発生してしまうと言われています。
また、交差点を右折するときは、反対車線を直進する車が多くいるので、右折の車は交差点内で止まって待たなくてはなりません。
こうした右折待ちの車が待機するための右折レーンがあるところはさほど問題ないですが、右折レーンがないところでは、渋滞発生の大きな原因の一つになっています。
一般道路の渋滞原因2:交通事故や工事による車線規制
高速道路と同じように、一般道路でも交通事故が起きたり、工事による車線規制が行われれば、当然のことながら渋滞が発生します。
ただ都心の主要道路では、昼間に工事を行うと渋滞することが分かっている箇所では、夜間に工事をするように対策をしているようです。
一般道路の渋滞原因3:路上駐車
最近は民間の取り締まりの方達「通称みどりのおじさん」のおかげで、路上駐車は本当に減っていると思います。
一昔前までは、路上駐車をする車で溢れ、どこでも路上駐車渋滞が発生していたものです。特に東京都内や大阪周辺の主要都市では本当に酷かったです。
私は以前に運送会社でアルバイトをしていた経験がありますが、その時に渋谷周辺や代官山周辺、目黒周辺を周っていたことがあります。
その当時の状況としては(1995年頃)、二重駐車は当たり前、酷いときは三重駐車、四重駐車をして配達をしていました。
しかし、今ではそのような光景は一切見られなくなり、昔当たり前に渋滞していた道路は今ではスムーズに交通が流れています。
みどりのおじさん達に酷い目に遭わされた方も中にはいるかもしれませんが、やはり民間企業による取り締まりの強化は目に見えて効果が出ています。
渋滞を避ける方法はあるのか?
ここまで高速道路と一般道路で起こる渋滞の発生メカ二ズムをお伝えしてきましたが、果たして渋滞を避ける方法はあるのでしょうか。
国土交通省や高速道路各社では、渋滞を少しでも緩和するために様々な対策を進めてくれています。道路整備に加え、サグ部に速度回復を促す掲示板を設置したり、高度道路交通システム(ITS)を用いた渋滞回避を模索したりしています。
ですが、現実問題として渋滞を避けるというのはなかなか難しいところであります。やはり一番の解決方法は、ゴールデンウィークやお盆、年末など、道路が混雑する時期を避ける、結論これしかないと思います。
しかし、ほとんどの方は平日休みを取ることが難しいはずです。そのために、移動時期が重なるため渋滞が起きているのですから、もう車を混雑する時期に乗る以上は、ある程度諦めが必要かと思います。
また、少しでも交通渋滞を避けるために「日本道路交通情報センター」のホームページをチェックしておくことがお勧めです。
日本道路交通情報センター 渋滞予測情報ページはこちらから
渋滞は毎回決まった場所で発生しますので、過去のデータから予測をすることが可能です。日本道路交通情報センターでは、その予測を元に渋滞情報を毎日提供してくれています。
「いつ、どこで、どの位の渋滞が発生するか」、細かく予測してくれていますから、どこか出掛けるときなどは、毎回この日本道路交通情報センターのホームページをチェックして、渋滞のピークを外すようにすれば、渋滞を避けやすくなると思います。
ですが、どっちにしろ車を利用する以上は渋滞を避けることはなかなか難しい問題です。車が混雑しない時期でも事故渋滞に巻き込まれることはありますし、工事渋滞に巻き込まれることもあります。
ですので、いかに渋滞をしてもイライラせず、時間に余裕を持って出発し、ドライバー1人1人がモラルを持って運転する、このことが大切になってくるのではないかと思います。
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