中古車流通の中で、「事故車」や「不正車」はどのくらいの割合で存在するか、あなたはご存知でしょうか。
中古車を購入するのであれば、事故車やメーター改ざんなどの不正車は絶対に嫌だと思いますし、出来るだけ程度の良い車を手にしたいと思うはずです。
しかし残念なことに、中古車流通の中で「事故車」や「不正車」の割合は、およそ全体の10%程あります。
つまり、店頭に並んでいる中古車のうち、10台に1台は「事故車」か「不正車」ということになります。
こちらのページでは、そのような粗悪車を掴まされないために、事故車や不正車の見分け方について、詳しく解説していきたいと思います。
ですが、まずはその前に事故車(修復歴車)の基準を誤って理解している方が多いので、事故車(修復歴車)とは、どのような基準で一体定められているのか、まずはこのことを理解していただくことから始めていきたいと思います。
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※事故車や不正車の見分け方を徹底的に知りたい方は、このままページをお進みください。ここから徹底的に解説していきます。
下の図をご覧ください。
中古車業界の事故車の基準は、「財団法人日本自動車査定協会」、「一般社団法人自動車公正取引協議会」、「一般社団法人日本中古自動車販売協会連合会」が定めている統一基準によって定められています。
修復歴車とは、「車の骨格等(フレーム)に欠陥を生じたもの、またはその修復歴のあるもの」と定義されています。
車は大きく分けると、「外観部分」と「構造部分」に分かれます。外観部分とは、ドア、トランク、ボンネット、フロントバンパー、サイドステップなどです。この部分は修理・交換をしたとしても、走行には支障がありません。
ですので、外観部分を板金・交換・修理をしていたとしても、中古車業界では事故車扱いにはなりません。
しかし、構造部分を損傷するということは、車の剛性や運動性能に欠陥を生じ、本来ある車の性能に悪影響を及ぼすだけでなく、安全性も失っている可能性があります。
そのため、構造部分を交換、修理した形跡のある車は、何かしら車に悪い影響を与える可能性が高いと判断されているため、事故車扱い、つまり「修復歴有」になります。
ここは一般の方が考える事故車の基準と、中古車業界が定めている事故車の基準に少し矛盾が生じているところだと言えます。
ガードレールや壁にぶつかって損傷したとしても、構造部分に何ら問題なく、外観部分の修復だけで直ってしまった車は、店頭に並ぶとき事故車扱いにはなりません。
つまり、無事故車扱い、修復歴無しと表記されて販売されることになります。ですので、「修復歴無し」と表示して店頭に並んでいる車が完全無事故車かといったらそんなことはなく、実際には事故を起こしていることはよくあります。
しかし、構造部分にまで損傷が及ぶような事故でなければ、事故車としては扱われず、無事故車と表示され店頭に並ぶことになります。
ですので、修復歴無しと表示されていても、100%何の事故も起こしていない車なのかと言ったらそんなことはない、ということを知ってもらえればと思います。
ですので、もし完全なる無事故車が欲しいと思っているのであれば、あなた自身で外観部分の修復をしていないか見分ける目を持つ必要があります。
それではこれから画像を使って、どの部分を見れば外観の修理をしているか、いないか、この見極める方法をお伝えしていきたいと思います。
■車を前から見たときの点検箇所
●ボンネットとフェンダーの隙間は均一になっているか?
●ヘッドライトとボンネット、フロントバンパーの隙間は均一になっているか?
修復をしている車はこの隙間が均一ではなく、一部が狭かったり、ずれてしまっています。画像の車は修復歴がない車ですので、隙間が綺麗に均一になっていますが、修復されている車は、一般ユーザーの方が見ても明らかに違いが分かるほどずれていますので、すぐに分かると思います。
■車を後ろから見たときの点検箇所
●斜め後ろなどから車全体を見回して、塗装の色合いに変わりがないかをチェック!
斜め後ろ、もしくは斜め前から車全体を見回して、塗装の色合いに変わりがないかを確認してください。色合いが変わっている部分は板金塗装の疑いがあり、事故を起こしてその部分のパーツを交換した可能性があります。
気が付いたらお店の人に確認をしてみてください。どのような事故を起こしているのか教えてくれるはずです。
●テールランプとトランクの隙間は均一になっているか?
●リアバンパーとリアフェンダーの隙間は均一になっているか?
ここもボンネットとフェンダーの確認をするときと同様に、それぞれの隙間が均一になっているか確認してください。隙間が均一でなかったり、ずれている車は、事故を起こしてその部分を修復している可能性があります。
■車を横から見たときの点検箇所
●ドアとドア、ドアとリアフェンダーの隙間は均一になっているか?
●ドアとフロントフェンダーの隙間は均一になっているか?
ここも同様に、それぞれの隙間が均一になっているか確認してください。隙間が均一でなかったり、ずれている車は、事故を起こしてその部分を修復している可能性があります。
※補足
通常メーカーから車が出荷される際、各部分のパーツの隙間は必ず均一に生産されています。その隙間にズレが生じているということは、修復歴や事故歴が疑われることになります。
写真に示したチェックポイントをよく確認していただき、隙間にズレが生じていないか各箇所を念入りに点検してみてください。実際の車両を見れば、大きくズレているものもあれば、微妙にズレているものもあります。
少しでも疑わしいものを発見したときは、販売店に確認を取ってみてください。素直に説明してくれるところは信頼できると思いますし、言葉を濁すようなところは何かやましいことを隠している可能性があります。
■ボンネットを開けて確認する点検箇所
●ボンネットのシーラーや取り付け部位、ボルトを確認。
シーラーを塗り直した跡や取り付け部位、ボルトが新しくなっていたら、事故を起こして、その部分を修復した可能性があります。その場合、どのような事故だったのか、どの程度の事故だったのか、販売店に確認してみてください。
●エンジンルーム内の各箇所の取り付け部位、ボルトを確認。
特にヘッドライト部分は要チェック!ヘッドライトの取り付け部分は樹脂で出来ているため、簡易な接触事故などでも簡単に割れてしまいます。また、長年の劣化によって、割れたり、折れてしまうこともあります。
折れた部分を接着剤などで修復された形跡があったり、交換された形跡がある場合、事故で交換したものなのか、別の理由で交換されたものなのか、確認が必要です。
ご紹介している車の画像をよく見ていただくと分かりますが、上2本のボルトとヘッドライトを留めているボルトが違います。
こちらの車は事故ではなく、ヘッドライトが故障したために以前交換したそうですが、このようにパーツが交換されている箇所はボルトを見れば分かります。
ですので、各パーツ部分のボルトもしっかりとチェックし、他のパーツと違うボルトが使われていたら、その部分を修理、交換した可能性があると考えてください。
●フロントフェンダーの取り付け部位、ボルトを確認。
ボンネットやフェンダーを取り付けているボルトの塗料がはげていたりすると、そのボルトを外した形跡になります。ボルトを外した形跡があるということは、その部分を修理、交換した可能性があるので、どのような修理をしたのか確認が必要です。
左右のボルトをよく見比べてください。右の写真のボルトに比べ、左の写真のボルトは塗料がはがれています。ボルトを外してパーツを交換した疑いがあります。ちなみにこちらの車は事故ではなく、パーツ交換でした。
ですが、このように塗料が剥げていたり、違うボルトが使われているということは、前方部分をぶつけた事故を起こしている可能性がありますから、このような車を発見したときは、販売店に確認が必要です。
■トランクを開けて確認する点検箇所
●トランクを取り付けている金具のボルトをチェック。
トランクを取り付けている金具のボルトをチェックしてください。ボルトの塗料がはがれていると、ボルトを外して何かしらの修理をした疑いがあります。
●トランクのシーラーも正常か確認。
トランクのシーラーも正常か確認してください。修理の形跡がある場合、事故を起こしてパーツを交換している可能性があります。
●トランクルームの中にある継ぎ目のシーラーも確認。
トランクルームの中にある継ぎ目のシーラーも確認してください。修理の形跡がある場合、事故を起こしている可能性があります。
●冠水車の疑いを見分ける。
トランクルームの中にはバーストやパンクを起こした際、交換するための予備タイヤがほとんどの車種で積んであります。面倒ではありますが、その予備タイヤを取り外して、その中も確認するようにしてください。
たまに泥の乾いた後や、酷いサビが発生していることがあります。その場合、冠水車の疑いがあります。近年の異常気象によって、ゲリラ豪雨や大型台風などの接近で、冠水した車は非常に増えています。
一度、水に浸かった車は、エンジントラブル、電気系のトラブルなど、色々な問題を起こすことが多いので、絶対に購入は避けるようにしてください。
もし予備タイヤを下ろして、泥の乾いた後やサビが見られた場合、下回りにもサビがないかしっかりとチェックをした上で、お店の人に詳しく事情を聞いてみてください。
■ドア周りの点検箇所
●ドアの取り付けボルト、ドアの隙間にずれがないかをチェック。
ボルトは外さない限り、写真のように綺麗な塗装がされています。しかし、ボルトの塗装がはがれているということは、ボルトを外して何かしらの修理や交換を行った可能性があります。
その場合、ドアのシーラーやドアの隙間のズレも一緒に確認してください。メーカーから車が出庫するとき、ドアやトランクの隙間は必ず均一になっています。この隙間が均一になっていない場合、事故を起こした疑いがあります。
●ドアのシーラーも正常か確認。
ドアのシーラーも正常か確認してください。修理の形跡がある場合、事故を起こしている可能性があります。
外観部分のチェックについてはこれで以上となります。
いかがでしたか?
ポイントを掴んでしまえば、見極めるのにさほど難しくないことが分かって頂けたのではないでしょうか。
とはいっても、やはり場数を踏むことが大事です。ですので、中古車を購入するときは最低でも5店舗位は周って、お伝えしたポイントを見ながら色々な車を眺めてみてください。様々なことに気が付くと思います。
そして、ある程度自分で見分けられる力を身に付けたら、本格的に欲しい車種を探してみてください。きっと、素晴らしい車を手にすることができるはずです。
では、次からは内装部分の点検方法についてご説明していきます。
内装部分の点検については、主に「メーター改ざん」の疑いが持たれる不正車を見極めるのに使います。
この点検方法のポイントを掴んでしまえば、ある程度は分かるようになるはずです。その車の年式や内装の具合を見極め、現在の走行メーターが明らかにおかしいと思ったら、メーター改ざんを疑ってみてください。
車業界で一般的と考えられている平均年間走行距離は、1年で1万キロです。年式で走行距離を割り出すときにはこの数字を参考にしてください。
つまり、5年落ちの車であれば、5万キロ程度は走っているのが普通という考えです。それ以上走っていれば、過走行車になりますし、それ以下であれば、走行距離の少ない車ということになります。
■車内の点検箇所 メーター改ざんを疑う。
●運転席側のシートと助手席側のシート、ハンドル、スイッチ類をそれぞれ確認する。
走行距離が少ないのにシートのへたりがひどい場合、メーター改ざんの疑いが出てきます。また、シートについては運転席側だけではなく、助手席側のシートにも座るようにして乗り心地を比べてみてください。
助手席は運転席側に比べて使用頻度が少ないため、助手席に座れば運転席側のシートのへたり具合がよく分かります。
また、ハンドルの擦れも走行距離に比例してきます。走行距離が少ないのに、ハンドルの擦れが目立つ場合、こちらもメーター改ざんの疑いが出てきます。
その他、「パワーウインドスイッチ」、「給油レバー」、「トランクレバー」、「アームレストの擦れ」などの各箇所も確認。各箇所のスイッチの文字がどれだけ擦れているかも一つの目安となります。
●各部スイッチ箇所の文字などが擦れていないかを確認。
「ワイパースイッチ」、「ウインカースイッチ」の文字などの擦れを確認。
「エアコンパネル」、「電動ミラー調整スイッチ」などの文字擦れも確認。
「エアコンスイッチ」、「ハザードスイッチ」などの文字擦れも確認。
各部スイッチ類の文字やマークの擦れは、走行距離を見比べる一つの指標に役立ちます。走行距離が少ないにも関わらず、スイッチ類の文字がやけに擦れていたり、消えかかっているものは、メーター改ざんの疑いが出てきます。
これらのスイッチ類の文字やマークの擦れを確認すれば、おおよその見当がつきます。参考までに写真の車は走行距離が9万キロの車です。
年式は平成13年式、14年落ちの車になります。(2015年現在)オーナーさんの車の乗る頻度にも劣化具合は異なりますが、だいだいの目安にしてみてください。
※補足
ご紹介している車の内装は年式の割りにかなり綺麗で走行距離も少なめです。私の経験上では、5~6年落ちの車でもスイッチ類の剥げが目立つ車が多くあります。ご紹介している車の内装は、あくまで一つの目安として捉えてください。
また、ここまで事故車や不正車両の見分け方について詳しく解説してきましたが、「査定表の見方を詳しく解説」というページと、「中古車の状態を購入前に見極める方法」というページを別で作成していますので、こちらの2ページもぜひ確認してみてください。
現在、お読みになっているページと、「査定表の見方を詳しく解説」、「中古車の状態を購入前に見極める方法」、こちらの2ページを熟読していただければ、事故車に対することは網羅できると思います。
→査定表の見方を詳しく解説ページはこちらから
→中古車の状態を購入前に見分ける方法ページはこちらから
ここまで事故車や不正車両の見分け方について詳しく解説してきました。良心的なお店であれば、過去にどこをぶつけているとか、ここの部分が交換された形跡があるなど、しっかりと説明をしてくれるはずです。
しかし、悪い業者はこのことを伝えずに販売しています。ですが、中古車査定基準では事故車と判断されませんが、一般ユーザーから見たら、車をぶつけて直していれば、やはり気持ち的に嫌なものです。
このような車を避けるためにも、あなた自身が車の目利き方法を身に付けたり、査定表を見る力があれば防げるはずです。たった、これだけのことをするだけで、後悔しない車選びが出来るようになります。
しかし、「そんなことをするのは面倒だ」、「手っ取り早く良質車を手にしたい」、このように思っているあなたにお勧めなのが、「ズバット車販売」です。
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