私が中古車販売業界やレース業界に長いこといたので、色々な友人や知人から車に関する相談を受けます。
その中でも特に多い質問が、車を購入するときにかかる初期費用が、一体どの位かかるのか分からない、というものです。
車を購入するときには、車の購入代金以外に色々と余計な費用がかかりますが、販売店の営業マンに詳しく説明されて、そのときは理解したつもりでも、時間が経つと忘れてしまうものです。
そこでここでは、車を購入する際にかかる初期費用について、詳しくご説明していきたいと思います。
まずここで知って頂きたいのは、初期費用の中にはどこのお店で購入しても固定でかかるものと、販売店舗がそれぞれ独自に価格設定をしているものがあります。
まず、どこの販売店で購入をしても固定でかかる費用は以下になります。
自動車の税金(自動車税、軽自動車税、自動車取得税、自動車重量税、消費税)
自賠責保険
印紙代
次に、販売店舗がそれぞれ独自に価格設定をしているものは以下になります。
登録費用
納車費用
車検費用
整備費用
ただ、ここで1点注意して頂きたいのは、どこの販売店で購入しても同じ金額しかかからないものを、悪徳業者は一般ユーザーが何も知らないことを言いことに、水増しをして請求してくるところがあります。
その部分もこちらのページでは詳しく解説していきますので、どの部分が固定でかかる費用なのか、販売店が独自に決めている変動費用とはどのようなものがあるのか、まずはしっかりとご理解頂ければと思います。
そして、車を購入する前に一度見積書を作成してもらい、その見積書を持って一度自宅に戻り、こちらのページを何度か読み直して、見積もり料金が適切かどうか、ご自身の目で判断していただけたらと思います。
そして、良心的な見積もりだと分かったら、そのお店で車を購入することを検討してみることが良いと思いますし、何かおかしかったり、少しでも不安を感じた場合は、一度購入を見送ることを考えても良いかと思います。
まずは一般的な販売店で使われている注文表を参考に、どの部分をチェックすればいいかご説明していきたいと思います。
●チェックして頂きたい項目は以下になります。
①税金・保険
②販売手数料(主に代行費用)
③車両本体と付属品の価格
④保証の有無と期間
それでは、一つ、一つ解説していきたいと思います。
①税金・保険関係
この税金・保険部分はどこの販売店で購入しても、固定でかかるものです。ですが、分かりづらいことをいいことに、ここの部分を水増しして請求してくる悪い業者がいますので、注意が必要です。
※車を購入する際にかかる税金・保険は以下になります。
自動車税、軽自動車税
自動車取得税
自動車重量税
消費税
自賠責保険料
それでは、一つ、一つご説明していきます。
●自動車税、軽自動車税
自動車税、軽自動車税とは、4月1日~3月末日を1年として計算され、毎年4月1日午前0時の時点で自動車の所有者、もしくは使用者に対して課税される税金です。
この税金は車の「排気量」によって税額が決定され、排気量の大きい車ほど税金が高くなっていきます。
また、車を保有しているだけでも、その所有者にかかる税金で、たとえ全く乗らない状態で駐車場に放置してあっても、納税義務が課せられます。
ですので、車検を取っていない車、一般道路を全く走行していない車であっても、ナンバー登録がされている限り、納税義務が発生します。
普通乗用車は登録する各都道府県に納め、軽自動車は登録する市町村に納めます。またこの税金は、車の所有者に毎年5月に送られてくるもので、自動車を購入する際にもかかる税金です。
普通乗用車を購入する場合(新車でも中古でも同じ)、車を取得する月によって月割計算がされ、税金が割り出されます。例えば、普通乗用車を10月に購入した場合、10月~3月までの月割り分の自動車税が発生することになります。
しかし、悪い業者はこの自動車税を月割り請求するのではなく、年額分請求してくるところがあります。ですので、この自動車税の部分は見積書をもらったら、しっかりと確認する必要があります。
また自動車税は、排気量や用途(自家用・営業用)によって金額が変わってきますので、下記の表を参考にしてください。
※図の見方をご説明します。あなたが購入する予定の車の排気量と購入予定の月を見てください。排気量は車検証に記載されています。分からない場合は、販売店に確認してみてください。例えば、購入予定の車の排気量が1800cc、登録月を9月と仮定した場合、自動車税は「19700円」となります。
※軽自動車にかかる自動車税は以下の金額になります。
乗用(5ナンバー車) 業務用6,900円 自家用10,800円
貨物(4ナンバー車) 業務用3,800円 自家用5,000円
※軽自動車税に分割制度はありません。1年に1回納めるだけとなります。
軽自動車を購入するときには、この軽自動車税は基本発生しません。ただ、納車が4月にまたがる場合、契約状況によっては、軽自動車税が発生することもあります。
※また自動車税は、低公害車の税金軽減措置や車の年式によって、税金の割増をされることがありますので、上の図はあくまで参考にしてください。正確な金額を算出したい場合は、各都道府県の自動車税事務所に問い合わせをしてください。
→各都道府県の自動車税事務所はこちらから確認できます。
※ここでは営業車の自動車税は省きますので、必要な方は下記よりご確認下さい。
→営業車の自動車税はこちらから確認できます。
※また、自動車税は抹消登録(廃車手続き)をした際、還付される制度があります。その還付金制度と計算方法は別ページにて詳しくご説明していますので、必要な方はご確認下さい。
→自動車税の還付金制度と計算方法はこちらから。
●自動車取得税
自動車取得税とは、車を購入し登録するときにかかる都道府県税で、税率は基本、普通乗用車は取得価額の3%、軽自動車は取得価額の2%と決められています。
普通自動車は新車登録時から6年を超えている場合、軽自動車は新車登録時から4年を超えている場合は基本的に自動車取得税はかかりません。また、取得価額が50万円以下の場合も税金はかかりません。
また新車で購入した場合と、中古で購入した場合では税率が変わってきます。中古車の場合、新車時の取得価額を年式によって割り出し、その金額に対して税金がかけられます。
この自動車取得税は複雑な部分でもあり、一般ユーザーが分かりにくい税金でもあります。そのため、悪い業者は購入者の無知に付け込んで、実際には納税する必要無いにも関わらず、不等に請求する業者がいるので注意が必要です。
もし、見積書に自動車取得税の請求があった場合、実際に納税した納付書を見せてもらうようにしてください。本当に税金を納めているのであれば、納付書が必ずあるはずです。
もし納付書がない場合は、不当請求されている可能性がありますので、販売店にしっかりと確認してください。
またこの自動車取得税は、車検証があれば自動車税事務所で計算して正確な金額を出してくれますので、もし正確な金額を知りたい方は、車検証のコピーを用意した上で、一度、自動車税事務所に直接確認することをお勧めします。
→各都道府県の自動車税事務所はこちらから
この自動車取得税の計算方法は少し複雑なので、ここでは割愛させて頂きますが、別ページで詳しくご説明していますので、自動車取得税の計算方法のやり方を詳しく知りたい方は、下記ページよりご確認ください。
→自動車取得税の詳しい計算方法はこちらから
●自動車重量税
自動車重量税とは、新車登録時、車検時にかかる税金で、名前の通り車の重量に比例して金額が高くなる税金です。また、燃費や排出ガスの区分や経過年数などの条件によっても税額が変わってきます。
新車を購入する場合は3年分、中古車の場合は車検の有効期間に応じて2年分を支払います。この税金は通常車検に含まれるため、車検が残っている中古車を購入する場合には支払う必要はありません。
ですが、逆に車検切れの中古車を購入する場合や、新たに車検を取り直す場合は、車検を取得するために必要となります。
また、業者によってはこの分かりにくい税の仕組みを上手く利用し、車検が残っている中古車にも関わらず、重量税を二重請求してくるところがあります。また一番悪質なのは、車検代を請求した上で更に別途重量税を請求してくるところです。
車検を取得するのであれば、その中に重量税は既に含まれていますから、更に請求してくるのはおかしいことです。しかし、見積書をよく確認すると、手数料の中に別途重量税という項目を作り、二重請求してくる輩がいます。
そのような業者は悪徳業者と考えられますので、そのお店で車を購入することは避けた方がいいと思います。購入者の無知に付け込んで、儲けを得ようと考えている業者は、その他の面でも何をしているか分かりません。
また、新古車を購入する場合も注意が必要です。「新古車=新車」と勘違いしている方がたまにいらっしゃいますが、新古車は新車ではなく、立派な中古車です。
ですので、新古車も一度車検を受けて既に登録済みの車ですから、重量税を別途支払う必要はありません。しかし、「新古車は新車と同じ扱いになりますから」と嘘を言って、重量税を二重請求する業者もいます。
このような悪徳業者に騙されないためにも、見積書の中にある重量税の項目はしっかりとチェックしていただきたいと思います。
まとめますと、自動車重量税とは、新車登録時、車検時にかかる税金で、車検が残っている中古車を購入する場合は、基本的に納税義務は発生しません。ただし、車検切れの中古車を購入する場合は納税義務が発生します。
もし、車検切れの中古車を購入する場合、各車重量税の税額が分かる下記の表をご覧ください。下記の表をご覧頂ければ、購入予定の車の重量税がすぐに分かります。
※また、この自動車重量税は車検が残っているにも関わらず、車を廃車手続きした場合、残っている車検分の金額が還付される制度があります。ここでは、「自動車重量税の還付金制度」については割愛させて頂きますが、別ページで詳しくご説明しておりますので、詳しく知りたい方は下記よりご覧ください。
→自動車重量税の還付金制度についてはこちらから
●消費税
車両本体価格や付属品(オプション品)、登録手数料などにかかる税金です。今までご説明してきた税金の中でも馴染みがあり、一番分かりやすい税金ではないでしょうか。
ただ、消費税にも課税される項目と、非課税になる項目があります。下記に分かりやすく表にまとめましたので、ご覧になってみてください。
この記事は2016年3月現在作成しておりますが、2016年3月現在の消費税率は8%です。ですので、車両本体価格やオプション品、登録代行手数料などにかかる消費税率は8%になります。
消費税を水増ししてくる業者はいないと思いますが、経験の浅い営業マンはこの手の計算ミスをよくやりがちです。
本人に悪気はなく、また気付いていないことも多く、ただの計算ミスによって、多く請求をしてしまっていることがあります。
ですので、車両本体価格や登録代行手数料など、消費税がかかる部分の計算が正しく行われているか、念のため確認しておくことをお勧めします。
●自賠責保険
自賠責保険とは、国が交通事故の被害者を救済するために、自動車損害賠償保障法に基づいて開始された強制保険です。
自動車、自動二輪、原付を含む、全ての自動車に加入することが義務付けられていて、正しくは「自動車損害賠償責任保険」と言います。
自賠責保険は、新車の登録時及び車検を取得するときに必ず加入が義務付けられます。ですので、車検を受けると自賠責保険の支払い義務が生じるため、車検が残っている中古車を購入する場合には、支払い義務は基本発生しません。
ですが逆に、車検切れの中古車や新車を購入する場合は、車検を取得するために必要となり、支払い義務が発生します。
しかしここで気を付けて頂きたいのは、本来支払い義務の必要がない自賠責保険を水増し請求してくる悪徳業者がいます。
また車検の切れている中古車を購入する場合、車検代金を請求しているにも関わらず、別途自賠責保険料を請求してくる更に立ちの悪い業者もいます。
このように、ユーザーの無知に付け込んで、自賠責保険の二重請求をしてくる悪い業者がいますので、見積書を作成してもらったら、必ず目を通すようにしてください。
また、新古車を購入する場合も同様に、自賠責保険料の支払い義務は発生しません。新古車も立派な中古車ですから、一度車検を受けて既に登録が済んでいる車です。ですから、自賠責保険料を支払う必要はありません。
ですが、「新古車は新車と同じ扱いになりますから」などと嘘を言って、自賠責保険料を二重徴収する業者もいますので、注意が必要です。
もう一度言います、自賠責保険は新車の登録時及び車検を取得するときに支払い義務が生じる保険で、車検が残っている中古車を購入する場合には、支払い義務は発生しません。
ですので、車検の残っている中古車を購入する際に、自賠責保険料を請求してくる業者は、水増し請求をしている可能性がありますから、そのようなお店では購入を見送ることをお勧めします。
購入者の無知に付け込んで、水増し請求をしてくるような業者は、他のところでも何をしているか分かりません。また、アフターサービスなどの不安も出てきますから、購入を避けることが良いと思います。
下記に普通自動車と軽自動車(自家用)の自賠責保険料を記載しておきますので、ご確認ください。
また、ここでは簡単に自賠責保険についてご説明しましたが、自賠責保険について更に詳しく知りたい方は、別ページにて詳しくご説明していますので、下記よりご確認ください。下記のページでは、自賠責保険の仕組みや、返戻金制度などについても詳しくご説明しております。
→自賠責保険料の仕組みや返戻金制度についてはこちらから
①の税金・保険関係の話はこれで以上になります。次は、②の販売手数料(主に代行費用)の部分についてお話していきたいと思います。
②販売手数料(主に代行費用)
この販売手数料の部分は、各お店で独自に価格設定をしているところになります。主に登録の代行費用や納車をするための整備費用などが含まれます。
※車を購入する際にかかる販売手数料は以下のものがあります。
登録費用
車庫証明費用
納車費用
下取り費用
車検費用
それでは、一つ、一つご説明していきます。
●登録費用
お店で購入した車を、自分名義に変更、登録するための費用になります。主な費用には、登録にかかる印紙代とナンバー代などがこれにあたります。
登録にかかる印紙代やナンバー代は車種によって多少異なりますが、2000円~5000円くらいになります。
この印紙代に関しては、どこのお店で購入しても、国に収めるために必要な法定費用になりますから、車を登録する際には必ず固定でかかるものになります。
自分で陸運局に行き、この登録を自ら行えば、2000円~5000円程度の金額で済みますが、面倒な手続きや時間が取られるため、ほとんどの方が車を購入したお店で代行してもらうことになると思います。
そして、この登録代行費用は購入したお店によって、かなりの開きがあり、販売店が独自に金額を設定している部分になります。
見積書の項目には、「登録代行費用」、もしくは「登録代行料金」と明記され、一般的な手数料としては、1万5000円~2万円位が相場になります。
しかし、この代行手数料を倍以上の金額で請求してきたり、酷いところでは10万円を超える請求をしてくるところもあります。
これは、私が中古車販売店に勤めていたときの話になりますが、私の友人が見積書を作成してもらったから、一度見て欲しいと頼まれ、見積書に目を通したところ、この手数料部分において、15万円を請求している業者の見積書を見たことがあります。
最初は1万5千円の見間違えかと思い、何度も見積書を確認しましたが、15万円+消費税という信じられないくらいの法外な手数料でした。
その当時、私が勤めていた中古車販売店の登録代行手数料が1万5千円でしたから、いかに法外か分かります。
ちなみにその当時、登録代行手数料の1万5千円が高い、と言ってくるお客もいましたが、人を一人使って、だいたい半日程度、車の登録、名義変更などに動くことになりますので、私からすれば2万円~3万円位頂いても、妥当かと思っていました。
ですので、登録代行手数料が1万5千円~2万円前後のお店はとても良心的だと思いますし、もう少し高くてもいいのかなと個人的には思っています。
ですが、知識のない一般ユーザーにとっては、多少高くても仕方がない、と思ってしまう方も多いようですが、この代行料金の部分は、あくまでもその販売店舗で独自に決めている金額です。
ですから、あまりにも法外な金額を請求してくるお店では、購入を避けたほうがいいかもしれません。他に見えない部分でも水増されている可能性があります。
もう一度言います、登録代行料金の平均的な相場は、「1万5000円~2万円」、登録にかかる印紙代が「2000円~5000円」になります。
ですので、この金額を大きく上回って請求してくるようなお店では、もう一度よく考えてから、購入することを再検討した方が良いと思います。
●車庫証明費用
車庫証明費用とは、購入した車の保管場所を証明するために必要な書類の申請を業者に代行してもらうための費用を言います。印紙代として収める法定費用もここに含まれます。
車庫証明は、あなたがお住まいの管轄する警察署に書類を申請する形になりますが、比較的誰でも簡単に手続きをすることができますので、出来ればご自身で行うことをお勧めします。
ご自身で申請をすれば、代行手数料がかかることはなく、以下の法定費用(印紙代)だけで済みます。
普通車登録費用:2000円~3000円
軽自動車登録費用:500円
※申請する場所によって料金が異なります。
上記の金額は、管轄する警察署に書類を申請する際に支払う費用になります。警察署の建物の中、もしくはその敷地内に印紙を発行してくれるところがありますから、必要事項を記入した後、印紙を購入し、指定された箇所に印紙を貼って提出すれば終わりになります。
ただ、事務手続きの窓口は平日の朝8時30分~17時頃までとなっており、土日祝日の受付はしていません。ここがやはりネックになり、ご家族がいる方は代理してもらうことが可能かと思いますが、一人暮らしの会社員の方にはかなり厳しい時間帯です。
その場合、販売店に申請をお願いする形になりますが、一般的な車庫証明の登録代行手数料の相場は「1万円~1万5千円」になります。
この車庫証明の登録代行手数料も各お店で金額が異なりますので、相場よりもふっかけてくる業者がいたら、注意が必要です。
●納車費用
納車費用とは、購入した車を自宅まで届けてもらったり、洗車をして引き渡すための費用になります。もちろん自分で取りにいけば納車費用はかかりませんから、あまりにも遠方でない場合は、慣らし運転も兼ねて、私は車を引き取りに行くことをお勧めします。
納車費用の平均的な相場としては、「5千円~1万5千円」前後になります。この費用は販売店の儲けになる部分で、法的費用は一切含まれていません。
しかし、私個人の意見としては、数百万円の高い買い物をしてくれたお客様に対して、別途お届けの費用や洗車代を請求するというのは、正直なところいかがなものかと思います。
私が中古車販売店に勤めているとき、見積書や契約書に納車費用を記載し、お客様に請求していましたが、洗車代や自宅に届けることくらい、サービスしてもいいのではないかと、いつも思って仕事をしていました。
ですが、勤めていた販売店では納車費用を請求するという方針でしたから、しょうがなく請求をしていました。ただ、私はこのことが納得行かず、自分のお客様に対しては、引き取りに来るようにいつも勧めていました。
中にはお金がかかってもいいから、自宅まで持ってきて欲しいという方もいましたが、しっかりと事情を説明して、出来るだけ納車費用をもらわないようにしていました。
よく、上司には怒られていましたが、お客が分からないことを言いことに、平気で請求している会社の方針が自分としては納得できませんでした。
私は上司に何を言われても、「お客様が引き取りに来るそうです」と伝えて、出来るだけ請求しないようにしていました。
ですが、購入したお客様のお住まいの地域が余りにも遠方な場合は、陸送代金が必要となることが多かったため、その場合は請求をさせてもらっていました。
ですが、今でも考えは変わっていませんが、この納車費用の部分は無料にすべきだと、今でも個人的には思っています。
●下取り費用
車を購入する時に下取り車両がある場合に、請求される費用になります。下取り費用に含まれるものは主に、下取り車の名義を販売店に変更するための費用、下取り車を査定するための費用、または、廃車にする場合にかかる廃車費用があります。
ですが、この費用もお客側に請求するのはどうかと個人的には思っています。数百万円の買い物をしてくれたお客に対し、名義変更の手続きや査定などはサービスしてもいいだろうと思っています。
名義変更にかかる手数料としては、2000円~3000円+人件費、この程度の金額です。実質かかっているのは、人件費も含めても1万円位でしょうか。
また査定に関しては、どこの販売店でも無料でやっていることですから、お金を請求するのはおかしなことだと思うわけです。
廃車にする場合は、法定費用を含め、車の解体費用がかかってきますから、請求するのは分からなくもないのですが、下取り車両の名義変更や査定をする費用までお客側に請求するのは、どうかと思います。
また車を廃車にする場合、解体費用がかかりますが、鉄や銅が高く売れる時期は、逆に解体業者さんからお金を貰えることがよくあります。
ですが、そんなことはお客側は知らないわけです。知らないからと言って、全ての費用をお客側に請求するお店は、果たして本当に良いお店と言えるのでしょうか。
お客側が知らないことはしっかりと説明をしてもらい、少しでもお客が有利になるように手続きをしてくれるのが、本当に良心的なお店ではないかと、個人的には思います。
また上記でもご説明しましたが、車を廃車にすると戻ってくる税金があります。それは、「自動車税」、「自動車重量税」、「自賠責保険料」です。
どの税金も廃車手続きをおこなった際、車を廃車にした日を遡って、月割りで戻ってくる税金になります。
ですので、下取りの車を廃車にする場合、廃車時にしっかりとこの3つの税金の還付を受けるようにしてください。車検の残り期間によっては、数万円の税金が戻ってくることがあります。
各税金の還付に関することは、別ページでご案内していますので、下取り車を廃車にする予定がある方は、下記よりご確認頂ければと思います。
→自動車税の還付金制度と計算方法はこちらから
→自動車重量税の還付金制度についてはこちらから
→自賠責保険料の返戻金制度についてはこちらから
※また、リサイクル料金の預託を済ませていなかった場合、使用済自動車として業者に引渡す時、リサイクル料金を預託する必要が出てきます。このことについては、下記でご説明していきます。
●リサイクル料金
リサイクル料金とは、車を廃車にする時に、その車をリサイクルするために必要な費用のことを言います。(下記画像 リサイクル券)
このリサイクル料金は車を購入する時、自動車リサイクル法に基づいて、所有者に支払い義務が発生します。この自動車リサイクル法は2005年1月に制定されスタートしました。
では何故、この自動車リサイクル法が制定されたのか、そのことについて少しお話をしていきたいと思います。
車は年月が経てば、その役目を終えていつかは廃車になります。現在日本では、1年間に約360万台もの車が廃車になっていると言われています。
車には鉄やアルミ等の金属が多く使われていて、使われている部品の約80%をリサイクルすることができます。しかし、残りの20%はリサイクルをすることができずに、主に埋立処分されます。
しかし、車の台数が増えるにつれて、埋立処分のスペースがなくなっていき、処分費用が徐々に高騰するようになりました。こうなると、処分費用が払えない業者などが不法投棄や不適正処理をするようになり、大きな社会問題になっていきました。
またその他にも、カーエアコンの冷媒に利用されているフロンガスがきちんと処理されていないと、オゾン層の破壊や地球温暖化問題を引き起こすなど、地球環境に大きな問題を抱えるようにもなっていきました。
また、爆発性のあるエアバッグ類を安全に処理するためには、専門的な技術が必要とされることも問題となり、このような問題をどのように解決すればいいか、国は迫られたのです。
そこで、これらの問題を解決するために、2005年1月から「自動車リサイクル法」がスタートし、自動車メーカー・輸入業者には、シュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類の引取など、車を廃車にするときには必ずリサイクルするように義務付けられたのです。
そして、その処理費用はリサイクル料金という名目で、車の所有者が負担することになりました。リサイクル料金の主な処理費用には、シュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類の引取などの処理に使われます。
このリサイクル料金は、車を購入するときに支払い義務が発生し、そのお金は厳格な管理体制のもと「資金管理法人 自動車リサイクル促進センター」が一時的に預かり管理します。
そして、車が廃車になるときは、その預けているリサイクル料金から適切な解体処理が行われ、廃車手続きが行われるようになっています。
このリサイクル料金は、既に預託済みの中古車(前のオーナーが既に支払っている場合)は支払いが不要だったり、その時の契約内容によって支払いが異なってきます。
リサイクル料金は、車の最後の所有者が支払うものとされていて、例えば、リサイクル料金を販売店が立て替えて負担している場合、車を購入した所有者に請求するのが一般的になっています。
またリサイクル料金は、車種、車体ごとに料金が異なります。詳しい料金は各自動車メーカーのホームページ等で確認するか、下記サイトでも確認することができます。
もし、購入予定の車のリサイクル料金を詳しく知りたい方は、下記サイトで確認することができますので、一度ご覧になってみてください。
→各メーカーの詳しいリサイクル料金はこちらから確認できます
●車検費用
購入した中古車の車検が切れてしまっている場合、登録と同時に車検を取得しなくてはなりません。車検が切れている場合、法定費用、整備代、検査手数料など、車検を取得するための費用が別途必要になります。
法定費用には、「自動車重量税」、「自賠責保険」、「印紙代」が含まれます。この法定費用の部分は、どこで車検を通しても固定でかかるものですので、どこのお店で取得しようが必ず必要になります。
しかし、整備代と検査手数料はそのお店ごとで料金を設定していますので、お店によって料金の差が出てきます。一般的な整備代、検査手数料代は2万円~3万円位が相場です。
しかしお店によっては、この整備代と検査手数料を法外な金額で請求してくるところがあります。私は一度、10万円を超えて請求している見積書を見たことがあります。ですので、相場よりもあまりにも高く請求してくるお店があれば注意が必要です。
またこの整備代と検査手数料は、お店によっては無料でやってくれるところもあり、請求される場合とされない場合がありますので、車検分の見積書は別途作成してもらうことをお勧めします。
車検に関することは、別ページで更に詳しくご説明していますので、車検の取得方法や費用について詳しく知りたい方は、下記ページよりご確認ください。
→車検の取得方法や費用について詳しく知りたい方はこちらから
②の販売手数料(主に代行費用)の話はこれで以上になります。次は、③車両本体と付属品の価格、④保証の有無と期間、この部分についてお話していきたいと思います。
③車両本体と付属品の価格
ここでチェックして頂きたいのは、「車両本体価格」と「付属品の価格」に間違いがないかです。新車を購入する場合、ディーラー営業マンと交わした約束がしっかりと反映されているかチェックします。
例えば、新車価格の値引き額、オプション(カーナビ)を無料で付けるなど、約束した部分が書類上でしっかりと反映されているかチェックします。
また、中古車を購入する場合も同様にチェックします。車両本体価格に間違いはないか、付属品の価格に間違いがないか、しっかりと目を通すようにしてください。
④保証の有無と期間
新車を購入する場合、各メーカーが3年間の基本保証や5年間の特別保証などを設けていますので、心配することはありません。
しかし、中古車を購入する場合の保証の有無と期間は、そのお店ごとに独自で決めていることがほとんどです。
「基本保証」、「延長保証」、「特別保証」などに分けられ、どこまで加入するかはユーザーに委ねられます。この保証については、お店によって様々ですので、以下のことはあくまでも参考程度にして聞いて頂ければと思います。
まず保証には、「基本保証」、「延長保証」、「特別保証」などが、そのお店によって設定されています。
基本保証は、どこのお店でもその車の保証として無償で付けているところが多く、納車時から3ヶ月~6ヶ月、または走行距離3000km~5000km、このどちらかが早く到来するまでの期間を保証しているところが多いです。
ですが注意して頂きたいのは、保証が付いているからと言って、何でもかんでも故障をした際に無償で直してくれるわけではありません。ほとんどの場合、制限が設けられています。
一般的に以下のパーツについては、保証対象外となっているところが多いです。「消耗部品」、「内外装」、「ガラス」、「タイヤ」、「オイル」、「TV」、「カーナビ」、「音響システム」、「キーレスシステム」などです。
また有料になる延長保証は、その保証内容、加入料金もお店によって様々ですが、基本保証にプラスして、納車から1年間もしくは2年間、走行距離に関係なく保証するプランとなっているところが多いようです。
更にその保証でも不安な方には、特別保証やプラス延長保証などを設けているお店もあり、走行距離無制限で納車から5年間を保証するといった、新車に負けない保証を付けているところもあります。
ですが、有料保証については加入できる車もあれば、加入できない車もあります。その車のコンディションによっては、お店の判断で有料保証に加入できないこともありますので、お店に確認することが必要です。
ただ、このように保証をしっかりと設けてくれているお店もあれば、全く保証を設けていないお店もあります。
ですので、購入予定のお店がどこまで保証をしてくれるのか、また有料保証の場合、その金額、どこまで保証をしてくれるのかなど、しっかりと確認した上で、加入するか、しないかを判断すれば良いかと思います。
私の個人的な意見としては、やはり中古車と言えども購入してからすぐに故障して費用が発生するのは困りますから、最低でも納車から1年程度の保証は欲しいと思っています。
ですので、基本保証にプラスして、1年程度の延長保証に加入しておくことが良いのではないかと思っています。
ここまで、車を購入するときにかかる初期費用について、長いことご説明してきました。
車を購入するには車両本体価格以外にも、「税金」、「保険」、「代行手数料」など、これだけのものが必要になってきます。
では一体、車両本体価格以外にどれだけの初期費用が必要なのか。新車と中古車では大きく変わってきますが、だいたいの相場で考えると、車両本体価格以外にかかる初期費用はおおよそ、「20万円~30万円」余計にかかると思ってください。
この位の金額で考えておけば、だいたい間違いはないかと思います。ただ、高級車になればなるほど、税金面などでの費用が大きくかかってきますから、おおよその目安として考えておいてもらえればと思います。
また、悪徳業者はこの諸費用部分を巧みに利用し、上手く分からないようにして水増し請求してくるところがあります。
ですので、面倒かとは思いますが、見積書を作成してもらったら、一つ、一つの項目をしっかりとチェックし、請求されている金額が適正かをしっかりと確認することをお勧めします。
だけど、「ここまで説明してもらったけど、自分一人で見分けるのはやはり難しい」「見積書をわざわざチェックするのは正直面倒だ」と思った方は、私が自信を持ってお勧めしている中古車販売サイトで車探しをすることをお勧めします。
私がお勧めしている中古車販売サイト「ズバット車販売」では、厳選なる審査を通った優良業者のみしか登録をしていませんので、水増し請求されるような心配はありません。
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また、これだけのサービスをこちらのサイトでは「無料」でやっていますので、車探しをしている方は、一度利用してみることをお勧めします。
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車を購入するときにかかる初期費用と水増し請求する業者
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